ひとりを楽しむ ショローライフ

60歳を目前にカフェを閉店し、ゆるゆると派遣で働く燃え尽きシングル。小さなときめきとデパ地下グルメで、いつまでも若々しく元気に働きたい!!

忘れられない日

毎年この日が来ると、思い出す丸顔のおじちゃんがいる。カフェのお客様におじちゃんは失礼かもしれないけど、おじちゃんという呼び名がしっくりくるんである。


10年前のあの日から、何か私にもできることをと、微力ながら店に義援金箱を置き、毎年震災の日の前後に自分の分もプラスして募金していた。


やめる理由もないのでずっと続けていたら、数年後だろうか初めて自転車で来店されたそのおじちゃんが、帰り際にレジ横の義援金箱を見つけ、もうどこもやめちゃったのに、、、ずっと続けてほしいと、千円札を入れてくださった。


以来、毎週訪れ、ハーブチキンとアボカドのサンドウィッチとビールとアイスコーヒーをしあわせそうに食べ、「お釣りは東北へ」と言って帰っていかれるのが習慣になった。




ある年、糖尿が悪化しちゃったからもうビールは飲めなくなっちゃったよとおっしゃり、足が遠のいた。しばらくぶりに来店された時に、店の近所での用事もなくなってしまったと聞き、おじちゃんともそれっきりになってしまった。


元気かな、おじちゃん。あれから私、ずっと義援金箱を置いてたよ。2年前に店を閉めるまで。東北に送ったり、熊本に送ったりして。

忘れてはいけないということ、改めて教えてくれたおじちゃん。ありがとう。